縁持格子の研究 バリエーション考 ストロー縞

ストロー縞:当研究部命名。
ガードライン型の縞要素として、恐らく最も使用されること頻りの要素。

縁持格子が縁を持つ理由は、10%が単純なセパレーション、90%が中央縞の強調です。
しかし、このサンドイッチ構造を一つのまとまりとして使うと、「鮮烈な印象の細線」としての機能を持たされます。

セパレート効果を狙うには無彩色の縁線が適しています。これにより内側のカラーと外側のカラーは、同じ平面に在りながら別々の領域としての主張を保ちます。

更に内側の領域・外側の領域いずれかを無彩色にすると、もう一方の領域はより彩度を強く感じさせることができます。
例えば小面積の領域を無彩色にすると、大面積の色はほぼ邪魔されること無く柄面を支配します。
さて、ここで小面積(つまり縞)の印象を消さずに残す為にはどうすれば良いか。
最も輝度の高い無彩色=“白色で染める”が正解です。
ホワイトの強い輝きをブラック(或いはグレー)で切り取って有彩色の支配する柄面に浮かべる。ストロー縞はこうして出来上がります。

でも単なる無彩色の縞ではデコレーション不足です。
そこで、縞要素に第二のカラーを挿してみます。

サンプル柄を見ていただけると解ります、色によってはセパレーション効果が弱まってしまうのです。
しかしその発想は“縞”を中心に据えたもの。
“メインカラー×サブカラー”の視点で見れば「大面積のメインカラー」vs「飾りを持ったサブカラー」の対立が顕れ、
ストロー縞はサブカラーに対する要素として生まれ変わります。

この対立を柄全体のコンセプトとして使う為に、サブカラー要素の間隔を広く取りましょう。

そして太縞をサブカラーに残し、細縞をアクセントにしてみます。
独立したサブカラーは面積こそ少ないですが、一番眼を引く要素になります。メインカラーが“地”になるのです。
太縞は目立たないながらもセパレーションが白を浮き立たせ、
細縞は細いゆえに地のカーキ色を邪魔していないことを確認してください。


細縞を更に細くし、その特徴を究極まで追求してみます。

細帯でありながら周りに埋もれないのは、縁持が持つセパレート効果によるもの。
ここまで細くすればいよいよ見た目もストローです。
この完成型のストロー縞を太縞要素にも配置、存分に活かしてみました。
全体のカラーバランスは崩さず、それでも確かに柄面にアクセントをものすのです。

太縞のアクセサリー要素をストロー縞の三筋にしてみました。

ストロー縞の波状攻撃を浴びせた縞要素は、確かな印象を見るものに残すわけです。
細いストローと太いストローの2種類を用意しましたが、太いストローではやや柄面がとぼけてしまいます。
黒:白:黒の1:2:1がいちばん適したバランスのようです。